長野市をワインの産地へ~信更地区の試飲会訪問

うんちくは全くありませんが、アルコール類の中ではワインが結構好きです。まちづくりの視点から山梨の「ワインツーリズム」の取り組みを調べ、そのまま、山梨のワイナリーめぐりにハマった過去があります。
そんな私が、知り合いに声をかけていただき、9月27日、長野市信更町高野で行われた試飲会&圃場見学に出かけました。

長野市信更町のワインへの取り組み

信更地区は、ワイン用ブドウの産地化を目指しています。ブドウ栽培を会社組織で行ったり、試飲会を地域を挙げて開催したり、中山間地の産業の課題に果敢にチャレンジしています。
そうしたチャレンジがだんだん進み、果実の収穫、ワインの醸造ができるようになりました。地元のブドウから醸造されたワインの試飲会は、昨年に続いて2回目とのことです。
主催はワイン葡萄しんこう会、共催は信更地区住民自治協議会、信更地域活性化推進委員会、ワイン用ブドウ栽培拡大検討委員会、長野市農業公社 のみなさんです。

会場には、今年栽培されたブドウが、試食用に置かれていました。

ワイン用のブドウ(シャルドネ)

ワイン用のブドウ(メルロー)

このほかに、カベルネ・ソーヴィニヨンもありました。
ワイン用ブドウを初めて試食しましたが、どの品種も甘くておいしい!ワイン用ブドウは、生の時から渋いわけではないのですね。目からうろこのおいしい発見でした。
ただし、一粒一粒が小さく、中に種があるので、最近の生食用ブドウを食べ慣れていると、食べにくい感じはします。「ジュースにするとおいしいよ!」とのことでしたので、お土産用にいただいたものを、大切に絞ってみたいと思っています。

ワインはこんな感じ

試飲用に用意された「Kirari信更」

私は、車の運転があるので、試飲は父に担当してもらいました。

後日改めて購入し、ゆっくり味わいたいと思います。

9月28日付の信濃毎日新聞では、100人が来場とありました。会場にいた地元の方は、「ちょっとお天気悪くて寒いけど、昨年より大勢来てくれてよかった!」と。試飲にかかわらず、ここに来ることが目的になるみたいな、とても環境の良い場所。きっと、だんだんファンの方が増えていくでしょうね。

中山間地農業に切り込む注目の二人

そして、この関係で、私が特に関心を寄せ、期待しているのが、こちら。
市外や県外でワインにかかわるお仕事をされていた方が、ワイン用ブドウの生産から醸造・販売までを長野市内で一貫して取り組もうと奮闘しています。まずは、それぞれが生産したワインの委託醸造が始まるそうです。オリジナルブランドのラベルが紹介されていました。

熱いお二人の紹介

私に、この催しを紹介くださったのも、このうちのお一方です。ひょんなことで知り合いになりましたが、夢に向かった動きがすごくて感心させられっぱなしです。
もちろん大応援中です。まだ具体的には役に立てていませんが、この下に書く課題は、私が踏ん張るところかな、と思っています。

長野市はワイン産地になれるか

長野市内には、日本酒の醸造所は昔からあり、(私はあまり味はわかりませんが)いろいろな地酒が楽しめます。
ワインも、長野市で醸造して、地ワインとしていきたい、というのが、信更地区や上のお二人の目指すところです。

長野県は、「信州ワインバレー構想」を2013年に策定し、長野県産ワインのブランド化とワイン産業のさらなる発展を目指しています。
その展開は、4つのエリアを決めて取り組みを進めています。古くからワインの産地として名を馳せてきた塩尻を「桔梗が原ワインバレー」を筆頭に、「天竜川ワインバレー」、「日本アルプスワインバレー」、そして、長野市も含む千曲川沿川地域の「千曲川ワインバレー」です。

⇒信州ワインバレー構想、NAGANOワイン公式サイト http://www.nagano-wine.jp/

千曲川ワインバレーは、東御市、高山村、小布施町、飯綱町などの産地がずらりと並びますが、長野市はほぼ空白地帯(日本酒の蔵元で、ワイン醸造をしているところが1軒)です。

そうしたところで、千曲川ワインバレー内の先進地、先輩醸造所で修業をした人が、ブドウ栽培からワイン醸造までを行いたいと、長野市内で就農している事例が、私が知っているだけでも複数あります。うれしいことだと思いますが、独自のワイン醸造までは、まだ道のりが遠いようです。
いろいろな要因はあると思いますが、今、気になるのは、長野市の姿勢があまり積極的ではないところ。ワイン用ブドウの生産は支援するものの、醸造、六次化の話になると、どうも歩みが遅い印象です。

9月定例会では、同じ会派の鎌倉希旭議員が、ワイン用ブドウの産地形成、構造改革特別区域法によるワイン醸造の推進等に関して一般質問を行いました。それに対し、市の農政部長からは

  • ワイン用ブドウ産地形成事業で、苗や棚の購入支援等を行った。結果栽培面積が5ヘクタールから12ヘクタールへ増大した。
  • ワイン醸造を望む生産者もいるが、先ずは「長野市ワインぶどう研究会」での研修を通じて栽培技術の向上を支援する。
  • 特区の活用が必要なワイナリーの建設計画が具体化する段階になった暁には、特区認定の申請をしたい。

等の答弁がありました。

自治体によっては、民間と行政が一体となってブランド化を進めているところもあります。長野市でも地ワインが楽しめる日が早く来ることを願って、応援を続けていきます。