長野市議会の9月定例会は令和6年9月5日から10月2日まで。
3年ぐらい前から、9月定例会の中で前年度決算の審査を行うようになりました。その分会期が長めになっています。
過日委員会審査も終わりましたので、私が所属する経済文教委員会における審査での意見や要望を少しですがご紹介したいと思います。
1 学校給食提供安定化事業【補正予算額3,546万9千円】
学校給食食材費の価格高騰による家庭の負担を増やさないため、公費負担を増やすものです
市民の皆さんの家計同様、学校給食においても食材の価格高騰は頭が痛い問題です。
長野市では、学校給食の食材費については保護者の負担となっていますが、令和4年度から価格高騰分については公費の投入をはじめました。
◆これまでの経緯
・令和4年9月補正 (令和4年4月~) 1食あたり12円程度を補う
・令和5年度当初予算 (令和5年4月~) 1食あたり12円
・令和5年8月補正 (令和5年9月~) 1食あたり27円
・令和6年度当初予算 (令和6年4月~) 1食あたり27円
◆今回
・令和6年9月補正 (令和6年10月~)1食あたり41円 補正額3,546万9千円
学校給食提供安定化事業が通年で行われた令和5年度において、この事業の支出決算額はおよそ1億1千万円でした。
長野市の学校給食は、ごはん(パン、麵)、汁物、おかず、牛乳などから構成される完全給食です。栄養や味付け、地元の食材の使用、安全対策、アレルギー対応等にはとてもよく取り組まれています。
ところで、長野県の学校給食は、他都道府県に比べて価格が高いと雑誌などで取り上げられることがあります。私も議員になって当初はなぜ?と感じていました。報道で他自治体の例をきいたり、市内学校給食センターを視察したり、学校での食育の場面を見せていただくことにより、その価格差については今はそれなりの理由があると考えています。
先ほども書いたように、小学校、中学校通しての完全給食であることはもちろんですが、食育の観点から、将来への投資になっていると考えています。学校給食センターを視察したとき、担当者から「子どもの味覚を育てる」という言葉が出てきました。給食は「薄味=まずい」と思われがちですが、「塩味を抑えてもうまみを感じる味わい」を実現するため、センターではだしをとるところから行っています。味覚を育て、体を作るという食育の観点からもその内容は誇れるものと考えています。
今回の議案はもちろん賛成の方針でおりますし、会派としては学校給食費無償化の要望を上げ続けております。こちらも引き続き要望していきます。
◆参考 長野市の学校給食費(令和5年度から6年9月までの状況についての説明)
令和6年度の学校給食費(長野市ホームページより)
https://www.city.nagano.nagano.jp/n602000/contents/p006176.html
◆長野市学校給食センター 視察時の写真より
1枚目 だしの試食。こどもの味覚を育て、薄味でもおいしさを感じられるよう、給食センターでだしを取っている。
2枚目 4月のあるの日の献立。お花見がテーマ。かまぼこや三食団子で雰囲気を出している。焼き魚(シルバー)も人気とのこと。
2 松代真田家歴史体験コンテンツ造成事業【補正予算額1,054万1千円】
このところのインバウンドの流れを受けて、歴史、松代、真田家などについて関心を持つ外国人に、より専門性の高いガイドを提供するための人材育成やツアー造成等に向けたモニターツアーを行うもの。
委員会での私の意見概要
視点は良いと思うが、旅行商品造成やその販売は、一般の旅行代理店で扱うようにはいかないと考える。モニターツアーといっても、その分野に詳しい(コア、マニアック)な世界とのつながりもよく見て取り組む必要があるのではないか。
3 戸隠スキー場の利用料金改定について(条例改正)
指定管理者による施設・事業への投資、収益性の高い事業展開など、より自由度の高い経営、サービスの向上を目指して、料金体系(上限額)の設定を新しくするもの。
これにより、リフト料金の値上げが行われることとなります。なお、市民対象の割引は継続実施とのことです。
私は、若干の値上げは容認、また、グリーンシーズン(夏や秋)のリフトの活用などにつながることについては賛成です。
ただし、参考資料として提示されたものには、「同等規模のスキー場を挙げた」というものの、実際には戸隠スキー場よりも規模が大きいところも多いのではないでしょうか。戸隠スキー場に近く、長野市民としては「どっちにする?」と選択肢にも上がることも多い飯綱リゾートスキー場を挙げないのはなぜでしょう。
料金値上げをしたいがばかりに、リフト料金ばかりに目が行っているのではないか、少し恣意的にも思える資料提示、検討過程については苦言に近い意見も申させていただきました。
◆経済文教委員会提示資料より